2.法令遵守を心がける

 

「1.在留資格を理解する」の最後で「『在留資格』は一見簡単そうで実は非常に複雑な決まりごとがあります」とお伝えしましたが、この「簡単そう」と思ってしまう点に落とし穴があります。

例えば「技術・人文知識・国際業務(技人国)」の場合、この在留資格があれば「何でも働ける」と思っている方が採用する側にも採用される側にも多くいますがこれは誤りです。「技人国」は「学歴・履修科目」と「仕事内容」で在留資格の許可を受けていますが、広義では日本に滞在する許可を受けているわけですので、在留期限内(「3ヵ月・1年・3年・5年のいずれか」となっていますが、審査内容により異なります)であれば、退職して無職になっても、転職して別の仕事をしていても、警察に捕まることはありません。また、建設会社に入社した者がIT会社に転職しても、IT会社の方が「技人国の在留資格を持っている方だからOK」という認識でいると、入社して働くことはできてしまいますが、在留資格の更新の際に入管から許可がおりず退職せざるを得ない事態になりかねません。

このように「複雑な決まりごと」を理解していないことにより、何事もなく月日が流れていくこともある場合もありますし、ある日突然表沙汰になった事実により、大変なことになる場合もあります。それは誰のせいでもなく、本人や会社が大変なことになるので、知っていながら法律を守らないのは当然慎むべきですし、知らないことでも「これは大丈夫なのか?」という確認を常に心がけるようにすることが大切です。